スペシャルティコーヒー長い間「カッピングスコア」という点数で品質を評価するのが一般的でした。
しかし、その方法だけではコーヒーの価値を十分に伝えきれないのではないか。
という事で、従来の評価方法GACCS(Green Arabica Coffee Classification System)に代わるものとして、注目されているのが CVA(Coffee Value Assessment/コーヒー価値評価) です。
昨年に続き、これについてスペシャリストの話を聴いてきました。
CVAは、コーヒーを内在属性(Intrinsic)と外在属性(Extrinsic)の
両面からとらえることを目指した新しい枠組みです。
具体的には、次の4つの観点で評価を行うとされています。
Physical(物理評価/内在属性):生豆の欠点数や均一性、含水率などの客観的品質
Descriptive(記述的評価/内在属性):香り・風味・酸味・甘味・質感などの特徴を言語化
Affective(感性的評価/内在属性):飲んだときの好みや印象、感覚的な満足度
Extrinsic(外在属性):生産地やプロセス、環境配慮、ストーリー、ブランド性など味以外の要素。 ※手元のコーヒーからはわからないもの
この仕組みでは、従来のカッピングでは評価されにくかった特殊精製(発酵)やそれに伴う
個性的な味を扱いやすくなるかもしれません。
味の特徴と飲む人の好みを分けて整理できる点や、生産背景や環境配慮といった
外在属性を価値として加えられる点は新鮮味があります。
一方で、「外在属性」の扱いにはまだ注意が必要だと感じています。
ストーリーやブランド性、認証といった 数値化しにくい要素をどう公平に扱うかが難しいです。
マーケティングやブランディングによって過大評価される恐れがあります。
結果として、コーヒーそのものが持つ本質的な品質(内在属性)が見えにくくなることも考えられます。
CVAは、コーヒーを「味だけ」ではなく「価値」としてとらえ直す大きな試みとして注目されています。ただ、評価の公平性や実用性についてはまだ議論の余地がありそうです。
こうした新しい評価軸が広がる中で、自分たちが何をもってコーヒーの価値と考えるのかを改めて整理しておく必要がありそうです。
山田